ゴミ屋敷を片付けよう!カビの除去方法を知ってクリーンな環境に

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掃除をするとき、「片付けたいのに片付けられない」など悩みを抱えている方も多いかもしれません。ものを大切にする姿勢は素晴らしいですが、保管条件が悪いとカビが生えることもあり、放置すると健康に悪影響を及ぼす場合があります。今回は、ゴミ屋敷を片付けたい人に向け、カビが発育しやすい条件や除去方法についてお伝えします。

なぜゴミ屋敷になってしまうの?体や周囲の環境にはどんな影響が出る?

なぜゴミ屋敷になってしまうの?体や周囲の環境にはどんな影響が出る?

どういった事情でゴミ屋敷になってしまうのか、そこにはきっと理由があるはずです。家がゴミ屋敷になってしまったとき、体や周囲に及ぼす影響について知っておくことも大切ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。

ゴミ屋敷とはどういった状態を指すの?

家の中や家の周囲がものであふれかえっていて、あきらかにものが溜め込まれていると分かる状態であれば、ゴミ屋敷と呼んでも良いでしょう。「ゴミ屋敷」に明確な定義はありませんが、2つのタイプに大別されます。

1つは、その家の住人以外が「ゴミ」だと認識していても、住人にとっては「いつか使うもの」「大切にとっておきたいもの」という認識で溜め込んでいる「倉庫系タイプ」です。そしてもう1つは、紙くずや生ゴミ、食べ物の包装袋、生活していて出たゴミなど、本来廃棄すべきゴミを溜め込んでいる状態を指す「有機系タイプ」です。溜め込むものの種類に違いはあるものの、どちらのタイプも長い時間掃除を行っておらず不衛生な状態であることに変わりはないため、可能な限り早くキレイにするようにしましょう。

ゴミ屋敷になってしまう心理とは?

捨てる行動を面倒に感じていて、ゴミが溜まったままの部屋を見て見ぬふりし、気づけばゴミ屋敷に…ということが多いようですが、本人の性格や意志の有無だけではなく、心理的な問題やストレスなどが原因のケースもあります。例えば、「強迫性障害」という精神疾患の場合、たくさんのものに囲まれていないと不安に感じる、不要なものでもいつか使うかもしれない、といった感覚から家の中にゴミを溜めてしまい、ゴミ屋敷になってしまうこともあるようです。

しかし、ゴミ屋敷を放置すると、数々の問題が…!

ゴミ屋敷をそのままの状態で放置しておくと、さまざまな問題が発生してしまいます。代表的なのは臭いや害虫・カビの発生といった被害です。ゴミ屋敷の中はもちろんのこと、ゴミが屋外にまで置いてある場合は、近隣の住宅にも被害が及んでいる可能性が高く、早急に対処が必要となってきます。さらに、悪臭やカビのほか、家具などの上に積もったチリやホコリを吸い込むと呼吸器に影響を与え、気管支喘息やアレルギーを発症してしまう場合もあります。

ゴミ屋敷となってしまう前に、ぜひクリーンな状態にしよう!

ゴミ屋敷となってしまってからでは、ものがたくさんありすぎて掃除をすることも一苦労となってしまうかもしれません。また、ゴミ屋敷は見栄えが悪いなど外面の問題だけではなく、住人の健康状態にも影響します。病気などにかからないためにも、こまめに清掃をしてクリーンな状態をキープすることが、ゴミ屋敷からの脱却の第一歩となりますよ。

カビが発育しやすい条件とは?4つのポイントを知ろう

カビが発育しやすい条件とは?4つのポイントを知ろう

ゴミ屋敷の中に溜め込んだものの中で、湿気の多い場所に置いてある、雨ざらしになっているなど保管状態が悪いと、カビが発生することがあります。ここでは、カビの発育条件について見ていきましょう。

ポイントその1 湿度

梅雨の時期はカビに悩まされる人も多いですよね。カビは空気中の水分量が多いほど発育しやすいという特徴を持っています。日本はもともと高温多湿の国であり、近年は湿気が中に溜まりやすい構造の住宅などが増えていることも重なり、カビが発育しやすい環境になりつつあります。湿度を下げるには、エアコンの除湿運転をしたり空気清浄機などを活用したりして、湿気を取り除きましょう。

ポイントその2 温度

カビは5~45℃くらいの温度があれば発育することができますが、中でも最も発育・増殖しやすい最適温度が20~30℃前後です。人が心地良い・過ごしやすいと感じる温度に近いため、普通に生活していたとしても「カビが生えてしまった!」ということがあります。

ポイントその3 酸素

人が生きていく上で必要な酸素も、カビが発育しやすい条件の1つです。しかし、酸素を無くすことは現実的に難しく、対策が不可能に近いため、他の要素から対策を行いましょう。

ポイントその4 栄養分

ホコリや垢、食べかすなどが散らばっていて不衛生な場所やものも、カビの発育につながることがあります。食べ物や飲み物をこぼしてそのままの状態の床、換気や掃除が不十分なお風呂場、トイレの便座の中など掃除が大変で面倒な箇所にはカビの栄養分が豊富となり、繁殖している恐れがあるため、細目に掃除するようにしましょう。

こんなところにも?!カビが発生しやすい場所やもの

こんなところにも?!カビが発生しやすい場所やもの

カビは条件が揃えば家具や生活用品などにも生えることがあるため注意が必要です。この章では、家の中でカビが発生しやすい場所やものを紹介していきます。

浴室や窓ガラス

浴室など湿度や温度が高くなる場所、風通しが悪い場所は、カビが発生しやすい条件に当てはまります。また、特に冬場に注意したい場所として、窓ガラスのゴムパッキン部分が挙げられます。家の中と外の気温差によって窓ガラスの内側に結露ができ、結露がパッキン部分に垂れ落ち、すでに溜まっていたゴミなどと結合することでカビが生えてしまうのです。カビが一度生えてしまうと落とすのに時間がかかる場合もあるため、窓を開けて換気する、室内を乾燥させるなどの対処が必要となってきます。

押し入れやクローゼットの中に入っているもの

押し入れの中も湿度や温度が高くなることがあり、カビが生えやすい場所の1つです。梅雨の時期には湿気取り剤を使うのも良いですが、しまいっぱなしにしている冬用の布団などを一度出して干すだけでも対策になることがあります。

意外と知られていないのがカビは服にも生える場合があり、長年クローゼットの中に収納してある服に汚れなどがついたままだと、そこからカビが生えてしまうこともあるため、たまに出して陰干しするのも良いでしょう。

ホコリを被っているもの

冷蔵庫の上や電灯のカサの上など、ホコリをかぶっているところにもカビが生えることがあります。特に冷蔵庫などの電化製品は発熱するため周辺の温度も高く、設置場所がキッチンということもあり、よりカビが発生しやすい状況を作っているかもしれません。同様に、エアコンのフィルターもカビが生えやすいところです。エアコンの冷房機能を使用すると内部は結露が発生します。そこにフィルターがキャッチしたホコリが入り込むためカビが発生しやすい環境となるのです。

雨ざらしになっているもの・屋外のもの

庭やベランダなど、家の外に置いてあるものの中で、雨に濡れているものはありませんか?雨に濡れたままということは水分含量が多い状態であり、これに素材や温度などの条件が重なれば、カビが発生するのも時間の問題です。また、濡れたまま放置するとその場所が腐敗してしまい、積んでいるものがいつか崩壊する可能性も出てきます。ゴミ屋敷だと、ものがたくさん積みあげてある状態で下にあるものにカビが発生した場合、特に注意が必要です。

ほかにもたくさん!

これまで挙げてきたもの以外にも、カビはいたるところに発生します。例えば洗濯機の中や、食べかすが散乱しやすいリビングのカーペットなども、条件さえ満たせば、カビは生えてしまうのです。カビは発育する条件に当てはまるところは、人が生活しやすい環境にも当てはまる場合が多いため、「カビを生やしたくない!」という方は、できるだけ事前に防止対策をするようにしてくださいね。

発生してしまったカビを取るために!家でもできるケア方法

発生してしまったカビを取るために!家でもできるケア方法

カビは一度生えると取り除くのに時間がかかるため、発生する前に予防するのが一番です。しかし、対策していてもカビが生えてしまったときは、自宅でも簡単にできる次のような方法を試してみてください。

酸素系漂白剤に浸け置きする

バケツや桶に入るサイズのものであれば、酸素系漂白剤に浸け置きしておくと、カビの跡が薄くなります。粉末タイプの酸素系漂白剤を規定量通りの水で溶かし、その中に1~2時間浸け置きするだけでOKです。タオルや服などの布製品に生えた赤カビなどに有効な方法となっています。

60℃以上の温度で10分間加熱する

カビは熱を加えることで死滅するといわれており、加熱によって除去が可能です。60℃以上の温度で10分間加熱すると、ほとんどのカビが死滅します。浴室のタイルなどにも活用できる方法ですが、お湯の温度が高いため、やけどをしないよう取り扱いには十分注意してください。

消毒用エタノールで殺菌する

消毒用のエタノール、つまりアルコールを使ってカビを除去するのも良い方法です。使い捨てクロスにエタノールを染み込ませて拭き取りする方法なら、本の表紙など濡らせないもののカビ除去もできるため、おすすめです。ただし、エタノールは引火性なので、火の元の近くなどには使用しないように注意しましょう。

塩素系カビ取り剤・スプレーを使う

浴室に生えてしまったしつこい黒カビの除去には、市販されている塩素系のカビ除去ジェルやスプレーなどを使うと良いでしょう。使う場所の表面が濡れていると、薬剤がきちんと行き渡らずに効果がなくなってしまう場合もあります。乾いた場所に適量を使用することを心がけるようにすると良いですよ。

「酢+重曹」で除去する

カビ除去用の洗剤が手元にない場合、酢と重曹を組み合わせて簡易的なカビ除去剤を作ると代用できます。酸性の酢は表面の汚れなどを浮き上がらせるはたらきがあり、重曹には汚れを中和する性質を持っているため、表面のカビに効果ができます。作り方は、酢を2倍量の水で溶かした「酢水スプレー」を吹きかけ、その後に重曹を振りかけます。ラップやキッチンペーパーなどで上からパックするようにすると、より高いカビ除去効果が得られますよ。

どうしても落ちない…そんなときはプロの手を借りよう

いずれの方法を試しても、どうしてもカビが除去できない場合は、ハウスクリーニング業者などのプロに依頼するのも1つの手です。中にはゴミ屋敷の清掃に特化した専門業者もありますので、困っている方はネットなどで検索してみてくださいね。

まとめ

ゴミ屋敷は不衛生なことが多く、ものにカビなどが生えていると、その家の住人の健康にも影響が出てしまいます。健康的に生活するためにも、ゴミ屋敷になってしまう前に今回紹介した掃除方法などを参考にして、クリーンな環境をキープしてくださいね。