家の中でたばこを吸うと、真っ白だったはずの壁にヤニ汚れがついてしまいます。そこで今回ご紹介するのは、壁紙についたヤニ汚れの落とし方です。たばこによって壁紙が汚れる原因を知って、掃除手順をマスターしましょう。
たばこで壁紙や汚れる原因は?放置するとどうなるの?

部屋の中でたばこを吸うと、いつの間にか壁やカーテン、天井も色が変わってしまったり、臭いが染み付いてしまったりといった悪影響を及ぼします。汚れをそのままにしておいた場合、どんな影響があるのか、しっかりと把握していきましょう。
汚れや臭いの原因はたばこの煙に含まれるタール!
汚れや臭いの原因は、たばこの燃えるときに発生するタールという物質です。独特の強い臭いが特徴で、煙に乗って部屋全体に充満すると、壁紙やカーテン、家具など、至る所に臭いがついてしまいます。タールの色は黒褐色で、着色するのも特徴のひとつ。喫煙を続けることでカーテンや壁に蓄積されていき、次第に黄色~茶色に変色します。
ヤニ汚れを放置するとどうなる?
タールは、粘着性のある油性の汚れ。そのため、一度ついてしまったら、簡単には取れないやっかいな汚れになってしまいます。壁のヤニ汚れは少しずつ蓄積されるため、数日の喫煙では目に見える変化はないかもしれませんが、時間が経つにつれ、白かった壁紙が黄ばんでしまうはず。清潔感が失われ、部屋全体がくすんだ印象になってしまいます。
ヤニ汚れがついた壁紙は、触れるとベタベタしている状態のため、空気中のホコリやカビが付着しやすい状態。壁紙の劣化が早まったり、ひどいときには中にある壁材が傷んでしまったりすることもあり、補修費用がかかるかもしれません。ホコリやカビなどが部屋にとどまることとなり、たばこの影響と併せて身体に悪影響を及ぼすことも十分に考えられます。
賃貸住宅の場合は修繕費を請求される可能性がある!
賃貸住宅の場合、退去の際は部屋を借りたときと同じ状態で返さなければなりません。早いうちに対処していれば問題なかったはずのヤニ汚れは経年劣化とはみなされず、故意や過失によるものと判断される可能性大。修繕費を請求されることとなるかもしれません。部屋の広さや形状などによっても差があるため一概には言えませんが、換気扇や照明などに付着したヤニ汚れのクリーニング代や天井、壁の壁紙張り替え費用など、場合によっては数十万単位の請求となることも考えられます。賃貸住宅でヤニ汚れを放置しておくのは、得策ではないでしょう。
壁紙のヤニ汚れ掃除に必要な道具や洗剤は?

粘着性のある油汚れであるヤニ汚れは、水拭きなどの簡単な掃除では対処できません。キレイにするためには、どんな掃除アイテムを用意する必要があるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。
ヤニ汚れ掃除に必要な道具
掃除のために準備するのは
- 掃除機
- ゴム手袋
- 雑巾
といったもの。
ここに、次の見出しで紹介する洗剤をどれかひとつ用意しましょう。重曹やセスキ炭酸ソーダを使う場合は、中身の入っていないスプレーボトルも必要です。肌が荒れないよう、ゴム手袋をしてから掃除に臨みましょう。
ヤニ汚れ掃除はアルカリ性の洗剤が効果的!重曹やセスキ炭酸ソーダなど
ヤニ汚れを落とすためには、油汚れに効果的なアルカリ性の洗剤が必要です。おすすめなのは、重曹やセスキ炭酸ソーダ。消臭効果もある重曹なら、独特の嫌な臭いを和らげることができます。セスキ炭酸ソーダは、重曹よりもさらにアルカリ濃度が高いため、こびりついてしまったヤニ汚れにも有効です。汚れ具合によって使い分けるのもいいかもしれません。重曹でもセスキ炭酸ソーダでもダメなら、最終手段として塩素系漂白剤を使いましょう。使う際は必ず換気をして、吸い込みすぎないようにしておきましょう。
掃除の前に知っておこう!壁紙掃除の注意点

壁紙掃除を失敗してしまうと、破れたり変色したりと、取り返しのつかないことになりかねません。賃貸住宅ではなおのことです。壁紙掃除で注意しておきたいことを、事前に押さえておきましょう。
壁紙の素材によっては変色するかも!洗剤は試してから使おう
塩素系漂白剤は、その名の通り使った場所が白くなるもの。白い壁紙以外に使うと、変色してしまう可能性があります。また、重曹やセスキ炭酸ソーダでも、壁紙の材質次第では変色してしまうこともあるかもしれません。事前準備として、家具を配置している後ろの壁など、失敗しても目立たないところで試して、変色しないかどうかを確かめてから、全体の掃除に進みましょう。
壁紙のつなぎ目に水分が入らないよう気をつけて
複数枚をつなげて貼っている壁紙は、つなぎ目を濡らさないように注意する必要があります。壁紙の表面はある程度防水加工されているものが多いのですが、つなぎ目は防水となっていません。つなぎ目が濡れてしまうと、ふやけてしまったり、はがれてしまったりと、見た目に影響が出ることも。つなぎ目には洗剤を直接吹きかけることのないよう、気をつけながら掃除を進める必要があります。
破れないよう強くこすりすぎない
頑固な汚れを落とすために、ついゴシゴシとこすりたくなってしまいますが、強くこすりすぎると破れてしまう可能性もあります。壁紙のヤニ汚れは、洗剤の力で落としていくというイメージで、優しく円を描くよう優しく拭いていきましょう。
洗剤をつけたまま放置するのはNG!
掃除箇所によっては、洗剤を吹きつけたあとに、洗剤と汚れを馴染ませるために放置することもありますが、壁紙掃除には当てはまりません。湿気に弱い壁紙は、洗剤の放置は厳禁です。変色や傷みの原因になることもあるため、洗剤をつけたら雑巾ですぐに拭き取りましょう。
ヤニ汚れのついた壁紙の掃除手順

注意点を押さえたら、実際に掃除を進めていきましょう。どんな手順で進めていけばいいのか、確認していきます。
Step1.ホコリを取り洗剤を直接吹きつける
重曹やセスキ炭酸ソーダを使う場合は、重曹水やセスキ炭酸ソーダ水を作ります。重曹の場合は、40℃以上のお湯2カップに、重曹1カップをしっかりと溶かしましょう。セスキ炭酸ソーダの場合は、重曹水と分量は同じですが、お湯でなく水で構いません。まずは壁紙についているホコリなどの目に見えるゴミを、掃除機やはたきなどで落としましょう。その後、ヤニ汚れが気になる箇所に洗剤を直接スプレーします。
Step2.スポンジやブラシで軽くこする
洗剤をスプレーした場所を、スポンジやブラシで軽くこすり、汚れを落としていきます。ここでのポイントは、強くこすりすぎないこと。浮いてきたヤニ汚れが垂れて、壁紙に染み込んでしまうこともあるため、浮いた汚れはすぐに拭き取りましょう。スポンジやブラシを汚れたまま使い続けると、汚れを壁紙にこすりつけてしまうことになるため、こまめに洗うようにしてください。洗剤は狭い範囲にスプレーし、汚れを浮かし、拭き取るという作業を繰り返していくのが、ヤニ汚れ掃除のポイントです。
Step3.水拭きをして完了!
水で濡らした雑巾で水拭きをして、洗剤とヤニ汚れを拭き取ります。水分や洗剤が壁紙に残ったままでは、シミや変色の原因になることもあるため、最後に乾いた雑巾で水分を完全に取り除くようにしましょう。
壁のヤニ汚れがひどいなら業者に依頼する方法もある

ヤニ汚れが部屋全体に広がっており、セルフ掃除ではどうにもならないこともあるかもしれません。そんなときには、掃除のプロに依頼する方法もあります。掃除する時間が確保できない、自分でやるのは自信がないなどという場合は、依頼を検討してみましょう。
壁のヤニ汚れをプロに依頼!かかる金額の相場は?
壁のヤニ汚れ掃除を依頼する場合、壁の面積や汚れの度合いによって作業の種類やかかる費用が異なります。
相場価格は以下の通りです。
- 壁紙のクリーニング:1㎡あたり、500~1,000円前後
- 壁紙の張り替え;1㎡あたり、1,000円前後
- 壁紙の浮き補修:1ヶ所あたり、5,000~10,000円
- 壁紙の補修:1ヶ所にあたり、20,000円~30,000円
業者によっては抗菌コート加工をしてくれるところや、オプションプランがあるところなど、サービス内容にも差があります。
いくつかの業者に見積もりを依頼!
金額は業者や汚れによって差があるため、金額が適正であるかどうかの判断がしにくいでしょう。面倒かもしれませんが、依頼をする際は、まずいくつかの業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。同じ条件での見積もりなら比較検討しやすいうえ、スタッフの対応等を確認することもできるでしょう。
まとめ
壁がヤニで汚れてしまうと、空気までよどんでしまうもの。見た目や健康被害の可能性に加えて、賃貸住宅では補修費用が請求されてしまうこともあるかもしれません。蓄積すると頑固な汚れになってしまうため、汚れの程度が軽いうちに、定期的に掃除しておくのがおすすめです。自分で掃除するのが難しいようなら、掃除のプロに依頼して、キレイな状態を取り戻しましょう。