実家の片付けでトラブル発生!?もめずに円満に片付けを進める方法とは
遺品整理で問題になるのが、実家の片付けです。兄弟や親戚などともめるだけでなく、近所の人とトラブルを起こす場合もあります。また、実家の片付けで、もめないために、事前に整理しようと親に提案すると喧嘩になるケースも想定できます。そこで、実家の片付けでトラブルをできるだけ起こさないために、トラブル想定や片付けの順番、方法などを紹介します。
そもそも実家の片付けをするとどんなトラブルを避けられる?
「遺品整理を考えると、日頃から実家の片付けをしておいた方が良い」といわれますが、そもそも実家の片付けをするとどんなトラブルを避けられるのでしょうか?ここではトラブルの内容を簡単に紹介していきます。
遺品整理でのトラブルを避けられる
親が亡くなった場合、子どもや親族が遺品整理するのが一般的でしょう。しかし同じエリアに住んでいるとは限りません。亡くなった親は地方で、子どもや親族は都心部に住んでいる場合もあります。できるだけ葬儀や四十九日の法要のあとに片付けようと思っても、物が多いと終わらず、遺品整理のために実家と自宅を何度も往復して、交通費負担が増えたり仕事を休んだりしないといけないなど負担がかかります。また片付けをするとしても、「私ばっかり片付けして」「こんなに費用負担しているのに、あの人は何もしない」など、誰が片付けるのかでもめる場合もあるでしょう。
ゴミ屋敷化を防げる
親が高齢になると、体力の低下から思うように身体が動かず、掃除するのが億劫になるケースがあります。人にもよりますが、高齢になると物を捨てるのが「もったいない」と感じ、物をため込みやすくなる傾向にもあるようです。これらが積み重なると、実家がゴミ屋敷化し、個人の力ではどうにもならず掃除業者に依頼しないと片付けられないケースもあります。そうすると費用負担も増えるので、日頃から整理整頓しておくとゴミ屋敷化が防げるでしょう。また、日頃から片付けができていると、害虫の発生を防いだりカビやほこりによる健康被害も防いだりできます。
防災目的の整理で安全を確保できる
物が多いとゴミ屋敷化するだけでなく、地震や洪水などの天災が起きたときに、下敷きになったり逃げられなかったりする可能性があります。物を捨てるのはもったいない気持ちもわかりますが、そのせいで高い所から落ちてきた物でケガをしたり、物が逃げ道をふさいだりして安全を確保できなければ意味がありません。適度に断捨離をして逃げ道を確保しておきましょう。
実家の片付けで相手によってどんなトラブルが考えられる?
ここでは、実家の片付けで起こり得るトラブルを相手別で、具体的に紹介していきます。実家の片付けに関わる人は主に、親や兄弟姉妹、親戚、近所の人です。これまで特にもめることなく仲の良い関係性であっても、実家の片付けで亀裂が入ってしまうこともあるので注意しましょう。
対親の場合
たとえ親であっても人の物なので、片付ける目的であっても勝手に掃除してはいけません。片付ける側からすると不用品でも、親からすると思い出の品となることも。また片付けを強要するのも控えた方が良いでしょう。片付けをしない親を責めているように受け取られてしまう可能性があるからです。できるだけお互いが気持ち良く作業できるように、話し合いながら少しずつ実家の片付けの意義を理解してもらうのが良いでしょう。
対兄弟・親戚の場合
自分1人であれば自分の都合ですべて決められます。兄弟姉妹や親戚が加わると分担して片付けられる反面、思うように作業が進まない場合もあるでしょう。たとえばお互いのスケジュールが合わなかったり、そもそも実家の片付けを反対していたり、自分は不用品と思っても相手は貴重品と思っている可能性があるからです。また、仕事が忙しいだろうから良かれと思って片付けをしたにもかかわらず、「勝手に片付けた」といわれてしまうケースもあります。みんなでするのか誰かに一任するのか、事前にしっかり話し合ってあとでもめないように対処しておく必要があるでしょう。
対近所の場合
実家の片付けで忘れてはならないのが、近所の人との関係です。実家から離れて生活していると、親がどんな付き合いをしていたのかわかりません。どの方とも失礼のないように対応しましょう。その他には、早く片付けようと夜遅くまで作業をすると、騒音が気になると注意される場合もあります。常識の範囲内で作業をし、どうしても深夜までかかるようなら事前に近隣の方にその旨をお詫びしておくと良いでしょう。
実家の片付けを始めるタイミングはいつが良いの?
実家の片付けをするとトラブル回避できることがわかったところで、いつから始めると良いのでしょうか?ここからは、実家の片付けを始めるタイミングについて、いくつか紹介します。
親の死後
もっとも想定されるケースは、親の死後に片付けるパターンです。親がいないため自由に処分できますが、遠方に住んでいる場合や親戚が多い場合には片付け作業がなかなか進まないケースも考えられます。誰が、いつ、どこから片付けるのかなど詳細に決めて、実家の片付けがスムーズに進むように段取りを決めましょう。
親が元気なうちに一緒に
できるなら、親が元気なうちに一緒に少しずつ片付けるのが理想的です。親が子どもや親戚に託したい物がわかり、片付けながらさまざまな思い出話を聞けるでしょう。また、親が亡くなったあとの実家の整理が簡単になるといったメリットがあります。その反面、親がなかなか片付けに同意しなかったり、物が捨てられなかったりすると、片付けを推進する側が苛立つシーンもあるでしょう。実家の片付けの意味を説明し、親にしっかり納得してもらう必要があります。
入院や施設に入所する際
長期入院や介護などに伴い施設に入所する際も片付けに良いタイミングです。入院の場合は、「健康になって帰ったときに生活をしやすいように整理しておこう」という意味があります。また、長期入院となると親の方から家の整理をしたいと申し出る場合もあるでしょう。施設に入所する場合は、引っ越しの意味合いもあるので、実家の片付けをするタイミングになります。実家に人がいなくなると、メンテナンス機会が減り、家の老朽化が進む可能性があるため、整理しておこうと促すと片付けやすいでしょう。
実家の片付けをトラブルなく行う方法とは?
ここからは、実家の片付けをトラブルなく行う方法を紹介します。身内だからこそ意地を張ったり衝突したりすることもあるでしょう。事前にトラブル回避方法を知っておけば、冷静に対応できるので、ぜひチェックしてみてください。
できることなら親の生前に少しずつ始める
親が亡くなったあとに遺品整理をしながら実家の片付けをするのも良いですが、やはり親の所有物なので親の意見を聞いて処分する方が良いでしょう。親に実家の片付けを提案して断られた場合は、話し合いをして理解してもらうのがベストです。しかしそれでも納得してもらえないようだったら、事前に大切な物や形見分けとして贈りたい物、贈りたい相手などを聞いておくと良いでしょう。片付けができなくても、物の仕分けができていれば片付け作業もしやすいです。
兄弟や親戚など関係の深い人を交えて話し合い
兄弟姉妹や親戚がいる場合は、必ずそれぞれに実家の片付けの同意を取っておきましょう。単独で実家の片付けを行うと、後々もめる原因になる可能性があります。「あれは自分が親から譲り受ける予定の品だったのに」、「どれを処分したのか知る権利がある」などといわれかねません。どんなに仲の良い関係性であっても、必ず話をしてから片付けに着手してください。
自分の意見を押し付けない
親が生前のうちに片付けをしようとすると、物を処分したくない親と喧嘩になることも。ついカッとなって、「どうして捨てないのか」や「片付けなさい」と頭ごなしにいってしまいがちです。しかし頭ごなしにいってしまうと、親も意地を張って平行線になってしまうケースもあります。そうなると実家の片付けが進まず、後々大変な思いをしてしまうかもしれません。できるだけ親の気持ちを優先して考え、寄り添う気持ちを忘れないでください。
実家の片付けをスムーズに行う順番とは?
最後に、実家の片付けをスムーズに行う順番を紹介します。限られた時間で片付けるには、効率的な動きと考え方が必要です。順を追って計画を立てていけばスムーズに進むので、実家の片付けだけでなく自分の部屋の片付けの際にも使える方法といえます。
全体を把握しよう
まず大切なのは、全体を把握することです。どれだけの荷物があるのか、どこを片付けるのかを考えておくと、スケジュールを立てたり業者に依頼するのかを検討したりできます。片付け完了までのおおよその目安を立てやすくなるでしょう。
自分たちでするのか業者に依頼するのか?
全体を把握できたら、自分たちだけで片付けられるものなのか、業者に依頼しないと終わらないのか考えられます。業者に依頼する場合は費用もかかるため、兄弟姉妹や親戚がいるのであれば、みんなで考えましょう。片付けには捨てるだけでなく買取りをしてもらうという方法もあるので、売却代金をどう分配するのかも考える必要があります。
スケジュールを考える
業者に依頼する場合はあらかじめ決めたスケジュールで進みますが、業者に頼まず自分たちで片付けるのであれば、片付けの予定を組みましょう。予定を組まず、やみくもに片付けをすると、思うように進まず片付けが長引く場合もあります。「〇日は寝室、〇日は居間」など部屋ごとに片付けスケジュールを立てるのもおすすめです。
仕分けしていく
当日の片付けのコツはまず、いる物といらない物を分けていくことです。迷ったときは、「迷い中BOX」のような物を作っておくと良いでしょう。とりあえず仕分けたあとに、もう1度「迷い中BOX」を確認するとゆっくり冷静な判断ができておすすめです。
残すものと廃棄するものとに分ける
仕分け作業によっておおまかな分類ができます。そこから自分で持っておく、みんなで分ける、寄付する、買取してもらう、処分するとさらに細かく分けていきましょう。そうすれば効率的に片付け作業ができます。
まとめ
実家の片付けは、さまざまな人が関わることもあり、単独で行うと後々もめる可能性があります。できれば親が元気なうちに、ある程度対処したり片付けを誰にお願いしたいか意向を聞いたりしておくと良いです。また、相手の気持ちに寄り添い、常に相談する姿勢が、実家の片付けでもめないポイントといえるでしょう。