生前整理で断捨離をしよう!メリットや正しい方法、コツを紹介

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生前整理でもっとも重要なのは「断捨離」。生前に必要のないものを処分しておくことで、自分が亡くなった後に、残された人が困らなくて済みます。「立つ鳥跡を濁さず」の精神で、断捨離をしてしっかりと生前整理をしておきましょう。

断捨離とはただ「捨てる」ということではない

まず断捨離とは、本来どのような意味を持っているのかをご紹介します。言葉の意味を知ることによって、断捨離に取り組む姿勢が変わってくるのではないでしょうか。

断捨離の本来の意味は?

断捨離とは、「今手元にある物、これから手元に入ってくる物が本当に自分自身にとって必要なのかどうかを、しっかりと見つめなおす行為」のことです。よく勘違いされがちですが「断捨離=洋服や本、雑貨など要らない物を捨てること」ではありません。

断捨離の本来の意味は、以下の通りです。

  • 断…外から入ってくる不要な物を断ち切ること
  • 捨…自分にとって不要な物を捨てていくこと
  • 離…物に対する執着心からは離れること

根本的に物に対する執着心を捨てて、シンプルで身軽な生活を送ることが本来の断捨離なのです。もともと断捨離はヨガの行法「断行・捨行・離行」が由来で、この3つは仏教にも同じ発想があります。中でも断行と捨行は、古く釈迦の時代より続いている仏教上の重要な思想、修行の一環でもあります。

断捨離の概念は物だけに当てはまるのではなく、人間関係や時間の使い方、仕事など、生きていく上でありとあらゆることに当てはまるのです。断捨離は自分の人生を見つめなおすうえで必要不可欠なことである、と言えるのかもしれません。

断捨離の手順

「断捨離とは思想、修行である」と言われると、初心者の方は取り掛かるのが難しい、相当の覚悟がいるのでは…と構えてしまい、なかなか実践に移せなくなるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。ここでは、断捨離のやり方を、順番にご紹介していきましょう。

物を出す

まずは自分がどれだけの物を持っているのかを把握するために、持ち物をすべて取り出します。この時点では「これはまだ必要だからしまっておこう…」「これは要らないから出そう」と選別はしません。とりあえず頭を空にして、すべての物を出してしまいましょう。

選別する

すべて出し切ったところで選別に入ります。「これからも使用するもの」「今後使わないもの」「人に預けるもの」「プレゼントするもの」「思い出深いもの」に分けていくのが生前整理のコツです。どうしても分けられない…という物が出てきたら「選別できないもの」に仕分けして、時間を置いて再度仕分けしてみましょう。

捨てる

「今後使わないもの」をスッパリと捨てます。「もしかしたらまた使うかも…」「眺めていると思い出がよみがえるな」など郷愁にふけってはいけません。「今後使わないもの」に仕分けしたものはガラクタであると考えて、スパッと捨てるようにしてください。

片付ける

「今後使わないもの」を捨てたら、「これから使用するもの」をしまいます。さらに、人に預けるもの、プレゼントするものも、少しずつ該当する人に渡していきましょう。また、「思い出深いもの」は、自分が居なくなったあと、どのように処分してもらいたいかも明記しておくと安心です。

物が片付くだけじゃない。断捨離を行うメリットとは?

断捨離のメリットは、ただ物が片付くというだけではありません。本人はもちろん、遺された親族にもさまざまなメリットがあるのです。ここでは断捨離を行うメリットについてご紹介していきます。

自分の資産がどれくらいかを把握できる

断捨離をすることで、自分の財産、資産を改めて確認することができます。もしかしたら自分が把握していなかった資産が出てくるケースもあります。自分が今どれくらいの資産があるかを確認できれば、今後のライフスタイルも変わってくるかもしれません。

遺された親族に負担がかからない

もし、生前整理を行わないまま亡くなってしまうと、残された親族が遺品の整理をしなければいけません。もしかしたら故人が深い思い入れを持っていたかもしれない物を捨てるのは、いくら親族といえども躊躇するものです。生前整理として断捨離を行うことで精神的、肉体的負担が軽くなります。断捨離はそれ相応の時間と体力を要します。断捨離は、遺された親族への思いやり、とも言えるでしょう。

自分を見つめなおすきっかけになる

断捨離をすることで、自分のこれまでの生き様と向き合えることも大きなメリットです。あなたの周りにある物は、あなたがこれまで歩んできた人生の証。それらひとつひとつとじっくり向き合うことで、自分の人生はどうだったか、今後の人生をどのように過ごしたいのか、おのずと見えてくるでしょう。

生前整理における断捨離の方法とコツを紹介

生前整理目的の断捨離は、通常の断捨離とは少し内容が異なります。ここでは、生前整理のための断捨離の方法と、スムーズに行えるコツをご紹介していきまるので、参考にしてください。

財産目録を作成しておく

生前整理を行う際は、まず財産目録を作成することから始めましょう。自分自身がきちんと把握している財産を洗い出し、資料として書き出しておくこと。そうすることで断捨離を実践している最中に、誤って必要書類を破棄してしまう…という可能性がなくなります。また、財産目録を作成することにより、自分自身はもちろん、親族も財産状況がきちんと把握できるようになるでしょう。

仕分けの基準を明確に

生前整理の断捨離を、ひとりで行うのはとても大変です。肉体的、時間的に余裕がないときは、親族など他の人に手伝ってもらうこともあるでしょう。その際は、仕分けの基準を明確にしておくことが大切です。作業の最中に「これは必要なものなのか」とひとつひとつ確認するのは手間も時間もかかってしまいますし、必要な物を誤って捨てられてしまった…というトラブルも回避できるでしょう。あらかじめ必要な物は、自分で仕分けおくと安心です。

必要かどうかわからないものは思い切って処分

「今は必要ないけれど、これから必要になるかもしれない」「もしかしたらまた使うことがあるかも」という物は思い切って処分してしまいましょう。仕分けの基準はシンプルに「今、本当に必要なものかどうか」です。今必要ないものは、これからも出番はない、という思考で進めること、これが断捨離のポイントです。どうしても捨てるに忍びない…というものは、生前贈与として親族に託すのも一つの方法です。

これだけは気を付けて!断捨離をする際の注意点

大切なものを捨ててしまったり、他の人にゆだねたりしてしまうと、取り返しのつかないことがおこってしまう場合があります。ここでは断捨離をする際、いくつか気をつけたいポイントをご紹介します。

大切なものは他人の手にゆだねない

重要な書類や長年収集している趣味の品物など、大切な物は必ず自分で整理するようにしましょう。価値のある物の仕分けを他人の手にゆだねてしまうと、トラブルのもとになりかねません。また、骨とう品、絵画などある程度の知識がある人しかその価値がわからない物を、第三者に勝手に仕分けされると不愉快な思いをすることもありますし、価値がわからず破棄されてしまう可能性もあります。

価値ある物、思い入れが強い物、形見分けをしようと思っていた物を他人に勝手に処分されることほど後味が悪いことはありませんので、生前整理を他人に依頼する前に、自分で仕分けする物と他人に任せる物を選別しておきましょう。

個人情報は適宜処分

個人情報やデータは、生前整理をしながら、消去しても差し支えない段階で、適宜処分していくと安心です。パソコンやスマートフォンなどには大量の個人情報が入っています。中にはたとえ親族といえども見られたくないプライベートな内容が収められていることもあります。中にはどうしても最後まで残しておきたいデータもあるでしょう。そのような情報は、自分が亡くなった後、どのように処分してもらいたいかを、遺言状にきちんと明記しておくと安心です。

まとめ

生前整理は、重要な終活のひとつです。生前に適切な断捨離を済ませておけば自分自身の気持ちもすっきりしますし、何よりも遺された人たちの負担が少なくなります。正しい方法で断捨離すること、これぞ「立つ鳥跡を濁さず」なのです。