孤独死を予防するために!自分でできる対策と家族ができる対策をそれぞれ紹介

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一人暮らしをしている、または遠方の親兄弟が一人暮らし、そんなときに心配になるのは孤独死ではないでしょうか。孤独死してしまった場合、周りに迷惑をかけることにもなりかねません。そこで今回は、孤独死を予防する方法について考えていきましょう。自分ができる対策と家族ができる対策も紹介します。

孤独死とはどんな状態を指すの?避けなければならない理由とは

孤独死とはどんな状態を指すの?避けなければならない理由とは

最近よく耳にする孤独死ですが、具体的にはどのような状態を指すのでしょうか。孤独死しやすい傾向にある人や孤独死を避けるべき理由についても、詳しく解説していきます。

孤独死とその辛さとは

孤独死は、一人暮らしの人が自宅などで誰にも看取られることなく突発的な病気や事故で死亡することを指します。孤独死の辛い点は、助けを呼ぶことができない状況にあることです。すぐに救命すれば一命を取り留めた可能性も考えられるうえ、即死だったとも限らず、苦しんで死んでいった可能性も考えられます。悲惨な最期を迎えることが、孤独死の辛さと言えるでしょう。

孤独死しやすいのはこんな人

孤独死が起こりやすいのは

  • 一人暮らし
  • 高齢者
  • 持病のある人
  • 生活苦で困窮している人
  • 親族がいない人
  • 親族や周囲の人との付き合いがない人
  • 仕事をしていない人

といった人が挙げられます。女性よりも男性の方が、孤独死しやすい傾向にあるようです。

貧困世帯の場合、病気を患っても医療費が払えず、引きこもっている間に悪化しなくなるケースもあるでしょう。孤独死する人の多くが、身内や周囲の人との付き合いがない傾向にあります。連絡を定期的に取り合う相手がいれば、連絡がこないことで不振に思われることもありますが、誰とも連絡を取り合っていないと、いざというときに発見されにくくなってしまうのです。

孤独死は高齢者だけの問題ではない!若い世代にも増えている

孤独死は高齢者の問題と思われがちですが、実は若い世代にも増えている問題です。一人暮らしをしている若い世代も多く、近所付き合いや親戚付き合いがなければ、何らかの理由で亡くなってしまっても、なかなか発見されないケースも少なくありません。どんな人にとっても、孤独死は身近な問題と言えるでしょう。

孤独死発見のその後はどうなる?

孤独死発見のその後はどうなる?

もしも、自分の身内の孤独死が発覚した場合、どんな影響があるのでしょうか。孤独死発見のその後の対応や起こる可能性がある事由について、きちんと把握しておきましょう。

孤独死が発見されるきっかけは

孤独死が発見されるきっかけの多くは、近隣住民からの通報となっています。

  • 部屋からの異臭
  • 郵便受けが溢れている
  • 干しっぱなしの洗濯物
  • 害虫の発生
  • 利用しているサービスを何日も利用した形跡がない

といった様子から近隣住民が不審に思い、発見に至るケースが多いようです。

もし孤独死を発見した場合は、遺体や周囲には触れないようにして、まずは警察へ通報してください。病院以外で亡くなった場合、警察は事件性の有無を確認しなければなりません。

掃除や片付けは遺族がしなければならない

警察による遺体確認が終わり次第、部屋の片付けや掃除をするのは遺族の役目です。孤独死の場合、害虫の発生や異臭、感染症防止の観点などから、専門業者による特別清掃をする必要があります。立ち入り許可が下り次第、専門業者への見積もりをお願いしましょう。遺品の量や汚れ具合などにより、作業内容やかかる日数、費用が異なります。場合によっては、高額請求になることも少なくありません。

賃貸住宅だった場合は遺族が補償金を請求される可能性が

賃貸住宅で孤独死した場合、賃貸事業者から遺族に対して補償金として高額な請求をされる可能性もあります。賃貸住宅の場合、孤独死が起こった物件は事故物件となり、入居希望者にはそのことを伝え契約してもらうこととなります。事故物件だと入居がつかなかったり賃料を下げなければならなかったりするため、賃貸業者が不利益を被る可能性があり、その矛先が遺族に向かうのです。

孤独死を予防するために!自分でできる対策は

孤独死を予防するために!自分でできる対策は

孤独死を予防するために、どんな対策が考えられるのでしょうか。まずは、自分でできる対策をご紹介します。一人暮らしをしている人は、ぜひ意識的に取り入れてみてください。

近隣の人や家族とのコミュニケーション

孤独死を予防するための対策として有効なのが、近隣の人や家族と定期的にコミュニケーションを取ることです。常日頃から、意識的にコミュニケーションを取る機会を作っておくようにするといいでしょう。趣味の集まりのようなコミュニティに参加するなど、定期的に顔を合わせる相手がいると安心です。

町内会や自治体が主催のイベントなどに参加して、顔を覚えてもらっておけば、気にかけてもらうきっかけになるかもしれません。

訪問サービスを利用する

定期的に自宅を訪問してもらえるようなサービスを利用しておくことも、ひとつの手段です。訪問介護なら日常的なサポートが受けられることに加えて、何かあったら迅速かつ的確に対応してくれるでしょう。日用品や食事、クリーニングなどを宅配してくれるようなサービスを利用する方法もあります。宅配業者でも、定期的に来てもらうことで顔なじみになり、何らかの異変があれば察知してもらいやすくなるはずです。

健康的な生活を意識する

一人暮らしをしていると、どうしても生活が乱れてしまいがちですが、元気に過ごすことができるよう、健康的な生活を意識することも大切です。

例えば、

  • 早寝早起きの規則正しい生活
  • バランスの取れた食事
  • 食欲がなくてもきちんと食べる
  • 適度な運動
  • 体の不調を感じたらすぐに病院にかかる

といったことを意識してみるといいでしょう。

どれも簡単なことではありますが、意外とできていない人も少なくないはずです。毎日の積み重ねが、健康状態を大きく左右します。

SNSで人とつながりを持つ

SNSで人とのつながりを持つのもいいでしょう。一人暮らし専用アパートなどでは、近隣住民との触れ合いが薄く、関係を築くのが難しいこともあるはずです。SNSなら、家族や友人はもちろん、自分の趣味のコミュニティなどで関係を築くこともできます。距離が関係なく誰とでもつながることができるのも、SNSのメリットといえます。

孤独死を予防するために!家族ができる対策は

孤独死を予防するために!家族ができる対策は

続いてご紹介するのは、家族ができる孤独死予防対策についてです。一人暮らしをしている家族が孤独死しないよう、どんな対策が考えられるのでしょうか。詳しく確認していきましょう。

毎日状態を確認する

離れて暮らしていても、毎日様子を確認することはできます。電話やメール、スカイプなどのツールを活用し、毎日連絡を取るようにするのも、大切な孤独死対策のひとつです。毎日連絡を取るのが難しいようなら、スマホの見守りアプリや安否確認アプリなどを使うのもいいでしょう。GPS機能で居場所や動きが分かるものや、スマホをタッチすることで家族に通知が届くものなど、さまざまなアプリがあります。

家電の使用状況から生活リズムに変化がないか確認できる見守り家電なら、普段通り家電を使うだけなので、手軽に利用できるかもしれません。

家を安全に整えておく

病気以外にも転倒して頭を強打するなど、家庭内での事故も孤独死の原因になるため、家が少しでも安全な場所になるよう整えておきましょう。

  • つまずき防止のために段差を減らす
  • 手すりをつける
  • 浴槽の床を滑りにくい素材にする
  • 浴室暖房をつける

このように気になる箇所があれば解消しておくことも大切です。家庭内の不慮の事故が起きにくくなるよう、万全を期しておきましょう。

施設への入居や通所サービスを勧める

施設への入居やデイサービス、デイケアなどの通所サービスを勧めるのもいいかもしれません。施設への入居なら、常に管理をしてくれるスタッフがいるため、一人暮らしよりも安心できるのではないでしょうか。定期的に通う場所を作るのも有効のため、車での送迎サービスもあるデイサービスやデイケアもいいでしょう。定期的に人が来てくれる安心感はもちろんのこと、人と触れ合う楽しさを見出してくれるかもしれません。

ホームセキュリティサービスを利用する

企業が行うホームセキュリティサービスを契約し、利用するのもおすすめです。緊急通報ボタンを押すだけでスタッフが駆けつけてくれたり、身につけた発信機による人感センサーで動きを感知、異常が見受けられれば訪問してくれたりと、サービス内容も会社によりさまざまです。その他にも、ガス会社や電気会社が提供している、使用量により生活リズムを確認するサービスなどもあるため、家族に適したサービスを選択してください。

自治体によっては孤独死対策サービスを実施していることも

自治体によっては孤独死対策サービスを実施していることも

住んでいる自治体によっては、孤独死を未然に防ぐための独自の対策を行っているところもあります。どんな対策をしているのか、具体的なサービス内容を押さえていきましょう。

自治体の孤独死対策サービスの一例は

自治体の孤独死対策サービスの取り組みには、

  • 地域のボランティアが定期的に一人暮らしの住まいに訪れる
  • 事業者と連携を取り配達などの事業活動の際に異変がないか確認する
  • 相談窓口を設置
  • パソコンや人感センサー、タブレット端末、テレビ電話などによる安否確認

などが挙げられます。

地域に根差した取り組みになっており、サービスを利用することで、自然と地域コミュニティに溶け込むことができるのも、メリットのひとつです。何かあったら家族に連絡してもらうこともできるため、離れて暮らす家族の安心材料になるでしょう。

住んでいる自治体のサービスを把握しておこう

住んでいる自治体が行っている孤独死対策サービスを、事前に確認しておくと安心です。サービスの内容については、役場や自治体HPにて確認することができます。自分でサービスを利用するのはもちろんのこと、家族から申し込みしておくのもいいでしょう。

まとめ

孤独死してしまうと、自分が辛いばかりでなく身内や周囲の人に多大なる迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。孤独死により身近な人を悲しませないためにも、一人暮らしで孤独に陥らないようにするためにも、自分でできる対策を検討してみてください。離れた場所に住んでいる家族も、こまめな連絡や見守りサービスの利用など、孤独死させないためにできるだけ対策しておけるといいですね。