終活とはいつから始めるもの?具体的にどういった準備をするのか紹介
終活という言葉を最近よく耳にするようになった人もいるでしょう。ただ、言葉の意味はなんとなくわかっていても、具体的にどういったことをするのかわからない人も多いはずです。今回は終活に焦点をあて、いつから始めるのか、またどういった準備をするのかなど詳しく紹介していきます。
そもそも終活とはどういうもの?どういった人がするの?
終活では具体的にどういったことをするのか、どんな人がするものなのか疑問に思っている人もいるはずです。まずは、終活に関する基本情報を紹介します。
終活とはどういうものなの?
終活とは、人生の終わりをより良いものにするために、自分がどうしたいか考え、身の回りの整理をしていくことです。そのため、終活は生前に行います。自分の死と向き合い、残される家族に、手続きなどで負担をかけないようにするためのものともいえるでしょう。
終活はどんな人がするの?
終活に決まった年代はなく、いつでも誰でも行えます。終活というと、高齢者がするものだと考えている人もいるかもしれませんが、若いうちから終活をしても、なんらおかしくないのです。
終活はいつから始めると良いの?決まりがある?
そうはいっても、なにかのタイミングがなければ、終活を始めにくいかもしれません。終活は、いつまでに終えておかなければならないといった決まりがあるのでしょうか?ここでは、終活をいつから始めるのか、一般的なタイミングを紹介します。
終活のタイミングはいくつかある!決まりは?
終活はいつまでに終わらせなければならないという決まりはありません。人それぞれのタイミングで終活を行い、人生の終わりに向けて心残りがないように整理していきます。とはいっても、終活を始めた人にはいくつか共通するタイミングがあるので、どんなタイミングがあるのか見ていきましょう。
定年退職後
終活を始める人が多いといわれているのが、人生の節目となる定年退職後です。仕事や子育てなど忙しい生活を送っていると、なかなか終活まで考えが及びません。しかし定年退職を迎え、少し時間の余裕ができると、今後の人生についてゆっくり考えられるでしょう。
これまでの人生を振り返り、今後の人生をどう自分らしく生きていくのかを考えるきっかけにもなるはずです。
身近な人の死に直面したとき
身近な人の死が終活を考えるきっかけになる場合があります。親が亡くなって、そのときの相続手続きに手間取った場合や、友人や同級生など自分と年が近い人が亡くなった場合などが考えられるでしょう。身近な人が亡くなることで、「もし自分が死んだら…」と自分の今後を気にする人が増えるからです。
自分の健康不安を考えたとき
自分の健康について不安を感じたときも、終活を始めるきっかけになります。大病をすると、自分の生死が気になり、残された家族のために、万一に備える意識が働くのでしょう。
周りから終活の話を聞いたとき
終活のセミナーに参加したときや、周りの友人から口コミを聞いたときも1つのきっかけとなります。周りの友人が話すとより身近に感じやすく、「同世代がもう考えているのなら自分も考えなくては」といった気持ちになるのでしょう。
結婚したとき
結婚したときに終活の準備をする人もいるようです。一見すると終活には早いと感じる人もいるでしょう。ただ、死は誰にでも起こり得ることなので、守るものができたときに家族が困らないようにしておこうという気持ちが働くのかもしれません。
子どもが生まれたとき
結婚したときと同じように考えると、子どもが生まれたときも終活を考えるきっかけとなるでしょう。かけがえのない家族ができることで死に備え、最愛の家族を守るために自分にできることをしておこうと考えるためです。
終活のメリットやデメリットを知っておこう
終活がどういったもので、どんなときに始めるのかタイミングについて説明してきました。ただ漠然と「終活はした方が良いのかな…」と考えている人のために、終活をするメリットやデメリットをまとめました。
終活を行うメリットとは?
終活を行うメリットは、家族の負担軽減と自分のやりたいことや考えの見直しができることです。人が亡くなると、葬式の手配や亡くなった人の財産を引き継ぐために、相続手続きをしなければなりません。亡くなった人は簡素な葬式で良いと思っていても、その気持ちを伝えておかなければ、費用をかけた葬式を執り行うかもしれませんし、家族に不要な費用負担をさせてしまいます。
また相続では、法定相続人や財産を特定する作業が必要ですが、家族の知らないところで法定相続人がいたり、あちらこちらに資産を分散していたりすると、手続きを行う家族は大変な思いをします。終活をしておけば、相続でもめるのを防ぐ役割もあるでしょう。
デメリットにはどんなものがある?
基本的には終活のデメリットはないといえます。早いうちから終活をしておけば、万一のことがあっても家族に迷惑をかけず、自分の意向に沿った葬儀や手続きをしてもらえるからです。ただし、終活には法的拘束力はありません。自分が終活でお願いごとを記していたとしても、家族がそれに気づかなければ意味がないでしょう。終活をしたのであれば、事前に家族にも情報を共有しておいてください。
終活ではどんなことをするの?具体的に紹介
終活は生前に、自分の身の周りの整理をすることではありますが、具体的にどういったことをするのか疑問に思っている人もいるでしょう。ここでは、終活の具体例を紹介していきます。
エンディングノートってなに?どんなことを書くの?
終活でよく用いられるのがエンディングノートです。エンディングノートには、自分に関する情報を記録しておきます。自分に万一のことがあった場合には、「この人に連絡してほしい」「保険は○○と△△に加入している」など覚書のようなものともいえるでしょう。
エンディングノート1冊にまとめておくと、自分でも振り返りやすいですし、家族もわかりやすいのでおすすめです。エンディングノートはお店で販売しているものもありますが、決まりはないので、家にあるノートに記しておいてもかまいません。
家の掃除や衣類や雑貨などの断捨離
高齢になると、1人では体力的に片付けが難しく、家に物が増えていく場合があります。仕方がないと放置しておくと、やがて相続手続きだけでなく、家の整理の負担も家族が背負うことになるかもしれません。
さらに、ゴミ屋敷となってしまうと片付けに時間や費用がかさみ、売却したくてもなかなかできない可能性もあります。大切な家族のためにも、家の掃除や断捨離を定期的に行いましょう。
お金の整理
相続手続きで面倒な作業が、金融機関での相続手続きです。いろいろな金融機関と取引があると、その数だけ相続手続きをしなければなりません。金融機関によって相続手続きの方法がまちまちなのも、面倒な理由です。家族が困らないように、どこの金融機関にいくらあるかを記しておいたり、ある程度数を絞ったりして金融機関をまとめておきましょう。
遺言書の作成
エンディングノートには法的拘束力がないので、相続でもめないためには遺言書の作成が必須です。家族が多い場合や財産がある場合、自分の意向を反映させたい思いがある場合は、必ず遺言書を作成しておきましょう。
葬儀やお墓について考える
自分の葬儀やお墓について考えるのも、終活に含まれます。家族に一任する方法もありますが、中には、生前に葬儀の契約をしお墓の準備をする人もいるようです。具体的な葬儀のプランを決めておけば、自分の意向に沿った葬儀ができ、家族への負担も軽減できるでしょう。
終活について知りたい!誰に相談したら良いの?
最後に、終活に関してもっと詳しく知りたい場合に、誰に相談したら良いのか相談先を紹介しておきます。一般的には、終活に関する資格を保有している人や士業の人に相談することになるでしょう。
終活セミナーを活用する
銀行や保険会社、ファイナンシャルプランナーなどが開催する終活セミナーに参加し、情報収集すると良いでしょう。テレビや本などで終活に関する知識があっても、エンディングノートを作成していくと疑問に思うことも出てくるかもしれません。そういったときに、各種セミナーを活用するのも1つの方法です。
終活に関する資格を保有している人に相談
終活に関する資格を保有している人に相談するのも、わかりやすくて良いでしょう。終活カウンセラー、終活アドバイザー、終活ライフケアプランナーといった民間資格を保有している人に相談できます。
弁護士や司法書士といった士業の人に相談
終活は相続にも絡んでくる内容といえます。士業と呼ばれる弁護士や司法書士の方だと、まとめて相談できるので安心でしょう。
まとめ
終活は自分の最期について考え、残りの人生をどのように過ごしたいかを見つめなおすものです。身の回りを整理整頓することで自分の思いをまとめることができ、なにがしたいのか、どう過ごしたいのかということが見えてくるのではないでしょうか。
また、自分の死後に家族への負担がかからないように準備をすることも大切です。様々な手続きや相続についてはエンディングノートや遺書を活用して、情報をまとめておきましょう。人生の最後をより良いものにするためにも、終活について考えてみてはいかがでしょうか。